books of the year 2015①

2015年に刊行された本(文庫も含む)で読んでよかった本を6冊紹介します。

年が明ける前にこれだけは、やっておきたい・・・

 

・2.43清陰高校男子バレー部(壁井ユカコ集英社

あらすじは、こちらを参照。

renzaburo.jp

スポーツ青春小説が大好きな私にとっては、もってこいの小説。

シリーズもので中学生~高校生までの成長が描かれてる。

バレーボールの才能を余すことなく与えられた天才セッター・灰島と彼に引きずり込まれバレーボールにどんどん魅了されていく黒羽。

2人はあらゆる面で対照的なんだけど、バレーという共通点があることで友達という枠を超えた関係をつくっていく。やっぱり、部活でもなんでもチームで何かに取り組むっていうことは人間関係をつくる上でとてつもない威力を発揮する気がする。

面倒なことも多いけど、その分達成感とか充実感は大きい、と思う。

高校では、バレーを尋常なく愛しているのに背が低い小田、勉強もできて何もわざわざバレーを選ばなくてもどこでも活躍できるはずの青木が出てくる。

この2人の対比も胸にグッとくるものが。。。

この2人の関係性の話ですごくすきな部分がある。

「おれとおまえの場合はその、殴りあって本音を言いあうっていうプロセスをやり損ねたまま今に至ってるわけだけどな・・・。」

「誰よりも気のおけない親友であり信頼できる相棒でありながら、青木に対して変にねじれた欝屈も自分は抱いているのだった。」(どちらも①から引用)

これって若干女子同士に多いのかなあ、って思うのだよね。

小さい頃は素直に思ったことを言えていた関係であっても、大人になるとお互いの考えとか主張が固まってきて、柔軟さが失われていく。

だから、もし友人に対して「それ違うんじゃない?」とか「間違ってると思う」と言いたくなることがあっても、言ったところで変わらないよなと思ってしまうことが増えた。

言ったことによって、溝が広がるだけ。ただでさえ、溝は広がっているのに・・・。

こんなふうに、この小説を読んでいると自分の立場と置き換えて考えてしまうことが沢山あった。

あと、純粋にバレーボールの大会で勝ち上がっていく姿も躍動感があって本当に面白い。

まだまだ続きが読みたいなあと思わされる。

 

・少女は卒業しない(朝井リョウ集英社文庫)

www.shueisha.co.jp

ある高校で“卒業式(前日)”を迎える少女たちの物語。

ひとつひとつは短編なんだけど、どこかとどこかが繋がっていて朝井さんらしいなと思う一冊。

私は、朝井リョウさんという作家が一番すきで今発表されている作品は全部読んでるのだけど、これはトップタイくらいの勢いですきな小説。

キュンときて、グッときて、どうしようもなく切なくなる。

なかでも『屋上は青』がすき。

この物語の主人公は、授業をサボったりなんてできない典型的な優等生の女の子。

その子の幼馴染とのお話。

2人の関係を表している部分で、

「いつだって隣にいた、私の幼馴染。だけどいつだって、隣にいると少し悲しくなる。

私は尚輝みたいにはなれない。すぐそばで広がっている尚輝の世界に、一歩も足を踏み出すことのできない自分の臆病さに、いつも悲しくなる。」

がある。これからすると2人は圧倒的に違う。

だけど、尚輝はある決断をしていて、、、

卒業式の日に、2人は屋上で一歩前に踏み出す。

「わかっていた。尚輝は不安なんだ。ずっと前からずっと不安だったんだ。(中略)

尚輝はどれだけ不安だったのだろう。どれだけ怖かったのだろう。自分だけ、みんなと違う道へと踏み出すことを決めたとき、退路を断つと決めたとき、尚輝はどれだけ怯えていたのだろう。」

表面上は、明るくふるまっていたり自信があるようにみえる人だって、

みんな不安を抱えているんだよね。ただ、それに気づいてあげられる人はほんの一握りなのかもしれない。

みんな不安だから、人の不安まで想像がはたらかないのかもしれない。

あの子は大丈夫でしょ、って勝手に自分で解決してしまうことって少なくないよね?

自戒の意もこめて、忘れちゃいけないと強く思った。

 

・言えないコトバ(益田ミリ集英社文庫)

『言えないコトバ』益田ミリ|担当編集のテマエミソ新刊案内|集英社 WEB文芸 RENZABURO レンザブロー

 

益田ミリさんのコミックエッセイ集。

「わかる~」と共感するも“言えないコトバ”が、沢山あった。

「チャリ」

「血液型、何型?」

「生(ビール)」

「S?M?」

「つかえない」

とかあげたら、きりがない。。。短時間で読めちゃうのに考えさせられる。

自転車のことを「チャリ」って言うのは気が引ける・・・

ヤンキー言葉みたいで(笑)でも、皆つかってるしね・・・

そんな小さいこと気にしてたら生きずらいったらありゃしないよねえ。

血液型とかSMとかは、心底「どーでもいー。」って思う。

そんなんで、人のことわかるかー!って思うけど、話が盛り上がるためのものなのかもしれないしね・・・。うーん。

でも、これが性格だからどうしようもないね。上手に付き合っていくしかない!

日々思ってたことを言語化してくれていて、スッキリする。

 

あと3つあるのだけど、長くなるから一旦やめる・・・(笑)

また、今度~~。

 

・傘をもたない蟻たちは(加藤シゲアキ角川書店

www.kadokawa.co.jp

 

・誰も戦争を教えられない(古市憲寿講談社+α文庫)

bookclub.kodansha.co.jp

 

・空しか見えない(谷村志穂集英社文庫)

www.ozmall.co.jp